2011年1月18日火曜日

Google:Ten Golden Rule

 
2011年1月14日(金)の日本経済新聞朝刊の「春秋」を読んで考えさせられた。まずは「春秋」の内容を原文のまま記載します。

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なぜこの企業が上位なのか。どうしてあの会社の名が見あたらないのか。就職先の人気ランキングに首をかしげる社会人は少なくあるまい。商社や銀行が上位を占める調査もあれば、旅行や化粧品の会社が優位のアンケート結果もある。
就活中の大学生の皆さんに助言しよう。ランキングなど気にしなくてよい。調査会社によって結果はかなり異なる。しかも就職前に抱く会社のイメージと実際に企業社会に出てからの体感には、大きな違いがある。就職案内やデータに映る虚像を見破り、社長の言葉や社員の表情から、企業の素顔に迫ってほしい。
米グーグルのシュミット会長が示した人材活用「10の黄金律」に「悪魔になるな」という1項目がある。人間は自分の見方に溺れがちだが、異なる意見に耳を傾け他者を尊重する環境こそ大事。組織の長は専制的に判断を下す前に、常に様々な視点を集めるべきだ。組織をイエスマンだらけにしてはならない――。
当たり前のような話だが、黄金律を実践できる企業はそう多くはない。個性を伸ばし、より大きな力に高めるために必要なのは、経営者の構想力と組織の包容力だろう。人気や知名度ではなく、自分がいきいきと働ける職場を自分の目で見つけられるか。そんな独自の眼力がある人材を、企業側もまた求めている。
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私は「10の黄金律」を知らなかった。不勉強であることを思い知る。早速調べてみた。
Newsweek(Issues 2006)に掲載され、大きな反響があったようであるが、Newsweek内のサイトでは検索できなかった。5年前になるので、既に削除されているのだろう。

反省すべき自分自身の行動がある。また、自信が持てたものもある。

1. 採用は委員会方式で
グーグルで採用面接を受ける人はすべて、少なくとも6人以上の管理者あるいは将来の同僚との面接を行う。
すべての人々の意見が大切であり、このことで、採用のプロセスがより公平になり、採用基準の向上にもつながる。勿論、それだけ時間がかかることになるが、その価値はあると思っている。
すばらしい人材を雇い、その人を次なる採用のプロセスに集中的に組み込むと、更にすばらしい人材を雇うことにつながる。

2. 必要なものはすべてを供給せよ
私たちは、標準的な(有給休暇、健康保険などの)付加給付を提供しているが、それに加えて、ファーストクラスな食事施設、ジム、洗濯室、マッサージ室、床屋、洗車設備、クリーニング、通勤用バスなど、ハードワーカーなエンジニアなら、欲しいあろうものをほとんどすべて提供している。結局、プログラマーはプログラムを書きたいのであって、洗濯物を洗濯したい訳ではないのだ。

3. 一カ所に詰め込め
グーグルにおけるほとんどすべてのプロジェクトは、チームプロジェクトであり、チームというものは、コミュニケーションをとる必要がある。
コミュニケーションを円滑にする最もいい方法は、チームメンバーをお互いに数フィートの間隔においてしまうことだ。
結果的に、グーグルのほぼすべての人々がオフィスを共有することになる。

4. 協力を容易にする環境を作り出せ
すべてのチームメンバーがお互いの数フィートという近くにいるため、プロジェクトを調整することは比較的容易である。物理的に近くにいることに加え、グーグル社員は、週に1度、先週1週間になにをしたかを説明したメモを自分のワークグループにメールで送ることになっている。
これによって、簡単に、誰が何に取り組んでいるかが分かり、進捗管理や、ワークフローをシンクロさせることが容易になる。

5. 自社製品を自分でも使え
グーグル社員は、会社のツールを徹底的に使う。ウエブは勿論、すべてのプロジェクトやタスクについての社内向けウエブを使う。
すべては、インデックスされており、必要に応じてプロジェクト参加者が利用できるようになっている。GMailの成功は、一つには社内で何ヶ月もベータテストされていたことにある。社内でのメール使用は、極めてクリティカルな活動であり、GMailは結果的、最も厳しい要求を突きつけるグーグル社のナレッジワーカーを満足させるべく、チューンされていったのである。

6. クリエイティビティを奨励せよ
グーグルのエンジニアは、自分の就業時間の20%を自分の好きなプロジェクトに費やすことができる。私たちの秘密というほどではない、もう一つの秘密兵器は、社内のアイディアメーリングリストである。
この会社横断的なサジェッション箱には、駐車場の手順から、次のキラーアプリのアイディアまでさまざまなアイディアを投稿できる。

7. コンセンサスに至るように努めよ
グーグルでは、唯一判断を下す者を英雄視するのではなく「多数は少数より賢い」というスタンスに立つ。
どんな判断を下そうとも、その前に広い視点をつねに求める。グーグルでは、マネージャの役割は、専制的に決断を下すのではなく、さまざまな視点を集めることにある。

8. 「悪魔」になることなかれ
このグーグルのスローガンについては、いろいろ書かれてきたが、私たちは本気でこれを実践しようとしている。特に、マネージメント層ではそうである。
どこの組織でもそうだが、人々は自分の物の見方というものに熱狂しがちである。しかし、ほかのよく知られたハイテク企業のマネージメントスタイルとは違って、グーグルでは、誰もイスを投げない。
寛容とリスペクトが育まれる環境を作りあげたいのであって、イエスマンだらけにしたいわけではない。

9. データが判断をもたらす
グーグルでは、ほとんどの判断というのは量的分析に基づいている。私たちは、インターネット上の情報だけでなく、社内の情報をも管理するシステムを作り上げている。
私たちは多くのアナリストを抱えており、彼らが業績を解析し、トレンドを描くことで、会社を可能な限りアップトゥデートに保つことができる。

10. 効果的にコミュニケーションを取ること
毎週金曜日、全社員参加の会を設けている。ここでは、発表が行われたり、紹介や質疑応答なども行われる。
こうしたことにより、マネジメントサイドがナレッジワーカーがいま何を考えているかがわかり、逆もまたしかりである。
 
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